- 2005-03-14 (月) 15:01
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今私の手元に1枚の紙があります。大学ノートの切れっ端…ほんとに文字通りちぎったまんまの切れっ端に、ボールペンでびっしりと字が書き込まれています。
どれどれ……
仁務卿<人>のヴィラン家当主 ロルシュ=ヴィラン
なにーーーーー!!
な、名前が違うぞ!
いやたしかにあのひとはロルシュって顔じゃないけど…いつからロルシュ→キデス、に変更になったんだ。覚えてないぞ。
ヴィン=ヴィランの父。厳格な人。きわめて律儀で仕事熱心。会社人間といった方がいいか。
家庭をかえりみないというわけではないがあまり構わないので妻との仲は最悪。
……云々
どうやら基本設定はかわってないようで。
私の部屋の片隅に放置されているプラスチックのカゴの中には、こんなかんじのメモがびっしり詰まっています。高校時代のだとテスト用紙の裏だったり、ルーズリーフだったり、形態はいろいろですが、はっきりいって余人にはただのゴミです。特に同居の母親が無駄なものは捨てたくてしょうがない人なので、私の部屋は絶対掃除しないでくれと言い聞かせてあります。たとえゴミにしかみえなくてもぜったいに何も捨てないでくれと。というか、ゴミに見えるモノが、一番大事なんで!
大学時代、パソコンを導入して、いろいろなものをデータ化したときに、このカゴの中身もなんとかしようと思い、テキストデータに打ち出したものもあるのですが、ほとんどが分類不可能なので、けっきょく、カゴのまま放置されることになりました。
脚本やプロットを書くとき、ネタに詰まったとき、などはこのカゴをあさります。すると、上記のような過去設定や、自分でも忘れているネタが掘り出されるのです。
データをランダムに抽出していき、脳内で発展させ、分類し、別のデータと結びつける。この作業をくりかえすことで、一つの物語が生まれていく。私の話の作り方は、全部そんなかんじです。まったく別々に考えた萌えるエピソード、萌える設定をカゴの中に放り込み、これとこれをつないだら面白くなりそうだ、というものを取り出して並べるのです。
起承転結とかは最初はあんまり考えません。時間軸上、どのエピソードが前でどのエピソードが後にくるか順序づけるだけです。話の盛り上がりは、プロットに起こすときに、初めて意識します。
カゴの中にあるデータは、ものすごく斬新だったり独創的だったりするわけではありません。たいがい、私が過去の作品を見ていて萌えた設定の集合だったり、こうだったらもっと面白いのに、と思ったことだったり、ふと思いついた人物設定だったり、思想や技術に関するメモだったりします。
ひとつ言えるのは、中にあるすべてが、素のデータではなく、私というフィルタをいったん通して表現されたものであるということ。
このカゴの中から持ってくる限り、確かに私のオリジナルのものができるという、そんな便利なカゴ、あります。
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