会誌-「サークル水月会誌 第9回」

■ §1.3  五王国時代特集?

アシュラ:……と、いきたいところなのだが、来てるのがこれだけ。

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【高砂キカ】   

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アシュラ:なので、この寄稿の質問等を中心にいこうか。

アシュラ:@短髪自由化。
緩くはなるけどなくなりはしないな。
ナッシュ:諸英伝の「肩までないとだめ」というのはかなりきつい方でしたが、時代が下るにしたがって「髪が短い」=「坊主、五厘刈り」程度にまでいきますから、まあ、ないに等しくはなりますね。
アシュラ:A紙発見…これは当然だ。
ナッシュ:セルフィアーでは正真正銘の紙ですよね。羊皮紙とかパピルス紙とかじゃなくて。
アシュラ:木からつくった紙だ。先進の地だから。年代までは決めてないが、ま、諸英伝から下ること百年以内だろう。
ナッシュ:「諸英伝」大流行、というのも紙発見がないとないでしょうからね。
アシュラ:B基本的に男女平等。これはセルフィアーではずっと貫き通されるな。キャラクター個人個人がどう認識しているかは別として、だが。
ナッシュ:そもそも平等意識があるかどうかもわかりませんからね。ただ、セルフィアーの人には「男・女」よりも「戦士・男・女」という識別がまず頭にあると思っていいでしょう。「戦士」といっても剣士とか弓師という意味ではなくて、能力のある人のことです。これは独立期以来の認識です。諸英伝前には薄れていたかもしれませんが、五王国期に入って復活していくことでしょう。

アシュラ:で、問題はC技術の進歩云々だな。
ここら辺は作者の趣味の問題が多分にかかわってくるところだが、「技術は進歩し、大砲・火薬が作れるまではいくけれども、それと同時に人々の美意識が進化し、自分の力を越えるものに頼ることが格好悪いと思われるようになる」という流れを思い描いているらしい。五王国期中期ぐらいまではどんどん技術だけ上がっていくが、しだいに戦が実益よりも国としての「かっこよさ」を競う場になっていく、と。だから上がりまくった技術も、日用民事用以外は刀剣鎧甲の威力強化に行って…と。
ナッシュ:絵空事とお思いかもしれませんけど、実際現実日本だって、戦国時代には銃の有効性はすでに知られていたのに、江戸時代になったら刀の時代に戻った、なんてこともあったでしょう。ありえないことじゃないですよ。
アシュラ:自制心とか道徳心じゃ無理だろうな。でも美意識だったら可能じゃないかと思うんだ。ちなみにこれ、私の教義だ。
ナッシュ:あ、そういえばそうでしたね。で、五王国期が終わる頃には、ナーラダもトゥーも洗脳されてアシュラ様の王廷司祭を置くようになるわけで。
アシュラ:それはそうとして、技術の進歩の話だ。ザラスの技術の進歩は、帝国期の末期で一度頂点を極めている。でもそれは言霊人が言霊術法を使った場合の頂点で、帝国消滅と同時にほとんど無に返った。そこからゆっくり進歩していって、五王国期中ごろ、独立暦にして一五〇〇年前後にスピードアップ。火薬なり何なりもこの後の二百年間ぐらいは使われるが、その残虐性を知った人々の美意識が「非戦闘員を巻き込まない戦」を望む方にいって、一七〇〇年頃から二一〇〇年ぐらいまでは技術もそういうように方向付けされてよりスマートに進歩していく

…ふふふ、無理な話だな。
ナッシュ:無理な話ですねえ。これ、人界で信じられている歴史の流れです。
………皆さん、「ディヤウスの制裁」って言葉、覚えてます?
アシュラ:新しい人は分からないかもしれないが、要するに太陽神であるディヤウスという神王が、人界に過分な力を持たせないためにいろいろやってることだ。要するにアンダーグラウンドで人界の方向性を操作しているわけだ。そういうこともあって、統一期頃まではあれなんだが、「盟主」の登場によってその壁は取っ払われる。「盟主」というのは本来は光の神の手先としてつくられた、「ディヤウスの制裁」の最たるもののはずだったんだが、その盟主は実にいい奴で…
ナッシュ:話し始めたらきりがないのでやめておきますが、とにかく二二〇〇年頃から技術は暴走。神王暦に戻して五〇〇〇年ぐらいには限界をきわめ、六〇〇〇年ぐらいに絶頂に達します。
アシュラ:そしてその頃からディヤウスの布教がすさまじい勢いで進行していく。その後二千年間ばかりの間にセルフィアー以外のすべての地が侵されてしまう。その間が人界の繁栄期だ。いつわりの繁栄だがな。
ディヤウスにすべてを委ねてしまった人界は、ゆるやかに衰退期に転じ、奴の配下の神もそれ以外の神もしだいに力を失っていく。残念ながらそれは、我々とて例外ではなかった──
ナッシュ:たしかこれを言うの、初めてでしたよね。
アシュラ:そうだったかな。とにかく七〇〇〇年〜九〇〇〇年ぐらいが急速な衰退期で、喪神の時代といわれる。神の力が失われてしまうのだ。
言ったと思うが、神は人の遺志を触媒として光と闇をエネルギーに変換する。人の認識から消えた神はもはやエネルギーをつくり出すことができない。神王は不老不死だが、消滅することはありえるのだ。
そして神王暦九〇〇〇年は「最後の大戦」。ディヤウスは闇の神に奇襲をかけ、闇の神はほとんど全滅する。それによって世界のバランスは完全に崩れ、ザラスは滅びへと向かう突破口を開いてしまうのだ。これを救うには、まったく新しいシステムを一から築きなおすしかないが、それだけの力と意志を持った者は、もはや神々の中にはみあたらない──
ナッシュ:他人事のように言ってますけど、アシュラ様はどうなんです?
アシュラ:ふっふっふ、その答は「グレイス」だ。訊くなナッシュ。
ナッシュ:そうですね、そうでした。その為に我々は…


  (以下機密漏洩防止のためファンチン・オーブV一時シャットダウン)


ナッシュ:あれ、何の話をしていたんでしたっけ?
アシュラ:技術の進歩の話だ。以上、おしまい。

アシュラ:あとは何だ。あ、Dエルーブが大都市になっている…
ナッシュ:資源があるだけに、キーサと闇軍との争奪戦の舞台になるんじゃなかったですっけ。
アシュラ:主に闇軍の資金源と思っていいだろうな。キーサと互角に戦えるのもここの銅のせいってことにしとくか。
ナッシュ:Eナーラダだけ潮流の外に…
アシュラ:あ、これ秘密。
ナッシュ:もうとっくに言っちゃいましたよ。だいたい竜眸石輸出とか火国刀・金輸入とかやっている時点でバレバレなんです。
アシュラ:とにかく一応は国家機密だからサイダバードの人がどうこうってことにはならないんじゃないかな。だいたいその頃にはサイダバードの人みんな南方に移ってそうだぞ。違うのかな。
ナッシュ:ということでF闇の神人はどんな存在なのか? ということですが。
アシュラ:インダラの創った神人だからな。けれん味たっぷりの、いかにも闇ですといった感じの奴らだぞ。髪は烏の黒、肌は湿った鑞のような白。瞳は本人達は葡萄色だと主張しているが五種の民には「濁血色」といわれている。数が少ないので、五種の民にはほとんど実体は把握されずにいくが、伝ではこう言われる──『闇の森の深奥に部族あり。仮に名づけて知られざる第六の神人となす。かの者ども、髪は黒くして目は血の濁りたるけしきあり、膚は蝋なり。月を拝して祖神となし、貴種に敵するはただこの一党なり。はなはだしく生殖能力を欠き、代えるに長命をもってす。ゆえに説をなす者あり、血をもって生を接ぐ』。
ナッシュ:血をもって生を接ぐ、というのは要するにいけにえのことです。
アシュラ:そう、さすがのインダラもこう時が経っていては配下に多くのものは与えられなかったらしく、術法能力・戦闘能力にはすぐれているが種としての生存能力はわずかだった。そこで彼らの選んだ道はというと、一つは他族との混血。この場合容貌は他族のものになるが能力は受け継がれる。ただ王族はそういうわけにはいかないので、いけにえの生命力を吸収する。するとおよそ百五十年から二百年、不老のまま生きることができる。
どうだ、闇らしいだろう。
ナッシュ:そのせいで、他族との共存は始めっから無理だったわけですね。それで、表に出られない他族ともども闇の森の中に暮らすという宿命を負ったわけです。インダラ神王もなかなか確信犯ですね。
アシュラ:意地がわるいな。それから彼らの特殊能力としては、まあそうだな、ひとつだけ言っとくと、言霊語が分かるってとこかな。
ナッシュ:それ、めちゃくちゃ重大です。
アシュラ:ふっふっふ。だから数が増えられても困るのさ。でも分かっても、話せるとは限らないぞ。操れるかどうかもな。ふっふっふ。どうかな。

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