会誌-「サークル水月会誌 第8回」

■ §1.2  マハーカーラ神王特集

アシュラ:マハーカーラ神王は、メール族の宗神、つまり創り主であり現在でも主だ。彼については、これまでメール族のリアクションで雰囲気だけ触れてきたが、マンジュスーリー同様神王としての彼の姿を追求してきたことはなかった。
ここに改めて彼の特集を組む。特にメール族の関係者は心して読むように。


■ §1.2.1  データ


名前:マハーカーラ
種族:神王
称:厨房神
号:火部三神
位:炊師
居:──(人界・メール山)
紋:山神紋
年:55歳(外見)
貌:男(気さくな厨師といった感じ)、一般形。色はメール族に同じ。
装:鍋、包丁、前掛け(地方によって変わるが料理人姿)
司:厨房、食事、糧食、包丁、かまど、酒、火山、17日
将:──(敢えて言えばその時々のメール大司祭?)

■ §1.2.2  教義

アシュラ:日々の食事に感謝。
ナッシュ:まあ、簡単に言ってしまえばそうですね。
アシュラ:このお米を作ったお百姓さんに、運んでくれたお米屋さんに、お米を炊いてくれたお母さんに、そして太陽に、水に、お米の命に、すべての恵みに、手を合わせて感謝、いただきます。そして、ごちそうさま。
ナッシュ:アシュラ様は食事をしなくても生きていけるじゃないですか。
アシュラ:まあ、そうだがな。
そう、われわれ神は、もともと世界樹の樹液=アムリタをエネルギー源としていたし、アムリタが枯渇してからは人の心と光からエネルギーを得ているから、食事など摂らないのだ。その食事というのを考え出したのが、彼、マハーカーラだというわけなのだ。
ナッシュ:私は昔言霊人でしたが、初期の言霊人は大気中のマナのみをエネルギー源にしていました。エネルギー摂取の原理は神々と同じです。ところが、マナがだんだん物質化してきて、マナの形で残らなくなると、それでは生きていけなくなってしまったわけですね。
アシュラ:そこへ、マハーカーラが登場したわけだ。彼は言霊人の窮状を見かねて人界へ降り、食事というエネルギー摂取法を伝えた。他の生命体のエネルギーを吸収するための方法をな。一日に三度なら三度と回数を決めて食事をとることや、調理法など、食事に関することはだいたい彼の考え出したことだ。
ナッシュ:でも、それは帝国中期以降のことですよね。その前は何の神だったんですか?
アシュラ:もともとは炎を発しない高熱、つまりマグマの神だ。ヴィシュヴァカルマンと仲が良かったな。
とにかく、食事という文化を伝えた彼だったが、言霊人は彼を疎んじた。とかく言霊人という人種は術法の力を誇りとしていたからな。それに、彼らは自分たち以外の知性体すべてを嫌う傾向があった。とくに後期の言霊人だ。
……言っておくがナッシュ、お前を責めてるわけじゃないぞ。
ナッシュ:分かっていますよ。私が生きていた時代だって、その兆候はありましたからね。それで、マハーカーラ神王は火山になったわけですね。
アシュラ:そうだ。彼は戦いを好まぬ質だったからな。しかしそのまま黙ってしまうのももったいないと思ったらしく、一部のナルスに力を与えて食事の法を伝えさせたわけだ。これがメール族の起源だ。
ナッシュ:で、神王たちの中ではどういう扱いになっているのですか?
アシュラ:昔は光の神だったんだが、今は中立扱いだな。静かに彼の弟子たるメール族を見守っているよ。彼の神族はメール族しかいない。その時々の大司祭や高位の司祭とは意思を交わしているようだから、一応まだ意識はあるらしいが、くわしいことはよくわからん。


■ §1.2.3  友神・敵神

アシュラ:彼には神将はいないのでパス。
で、友神・敵神だが、
ナッシュ:中立扱いにされているくらいですから……
アシュラ:そうだな。特に仲のいいのも悪いのもいないという状況だな。ま、あんな人界の陣取り激戦区に居座って何のクレームも来ていないというのは、たいした人徳というべきなのかな。
ナッシュ:毒にも薬にもならない、と思われてるだけかもしれませんけどね。
アシュラ:……まあ、そういう考え方もあるが。

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