会誌-「サークル水月会誌 第2回」

■ §1.2  言語


アシュラ:さて、次は言語に関してだ。
ザラスには多くの言語が存在するが、だいたいが神語またはチェリア朝時代の言霊語から変化したものだ。
ナッシュ:神語にしろ言霊語にしろ、初期の言霊語を参考に作られたことは同じですから、源は一つとも言えますけどね。
アシュラ:言霊語の方はともかく、神語っていうのは「神の言語」っていう程度のあいまいな呼び方で、一つの言語をさすわけじゃない。神王ごとに別の言語がある。つまり五十六の神語が存在するわけだ。
ナッシュ:といっても部ごとにある程度似通った言語になっていますので、それを念頭に置くと修得しやすいでしょうね。
アシュラ:要するに「語族」みたいなもんだな。


[天部神の神語]
 精音(せいおん)文字(母音と子音とを分けて書く表音文字;アルファベットのようなもの)を使用。
 屈折語(語の文法的役割・関係などを示すのに別の語を添加したり、語順に依ったりせず、語形の一部を変えたり、接辞を加えたりする言語;印欧語のようなもの)である。

[空部神の神語]
 精音文字を使用。
 膠着語(実質的な意味を表す語に付属的な語を加えて文法上の形式が示されるような言語;日本語のようなもの)と思われるが、多分に変則的であり屈折語の要素もある。

[火部神の神語]
 象画文字(表意文字;漢字のようなもの)を使用。
 孤立語(語は実質的な意味を示すのみで、文法的機能は語順によって示される言語;中国語のようなもの)である。

[地部神の神語]
 象画文字を使用するが、それを耳音文字的にも使う(万葉仮名のようなもの)。
 膠着語である。

[水部神の神語]
 耳音文字(母音と子音とを分けず、耳に聞いた音をそのまま書くような表音文字;仮名のようなもの)を使用。
 膠着語である。

[風部神の神語]
 耳音文字を使用。
 抱合語(文を構成する全ての要素が緊密に結合して一つの全体をなす。つまり、語の屈折的構成がそのまま文となるような言語;アイヌ語のようなもの)である。

[人部神の神語]
 象画文字に文法的な働きを示す補助記号的なものをくわえて表記する(漢文の訓点のようなもの)。孤立語に似ているが、語順は特に定められていない。

[言霊語]
 精音文字を使用。
 抱合語である。


アシュラ:で、セルフィアー語はどこに属するかというとだな、どこにも属さないのだなこれが。
ナッシュ:複合語というやつですね。文法的なことはナーガ神王の神語に似ているけれども、表記には主に我らが象画文字を使う……
アシュラ:簡単に言ってしまえば、日本語だ。(きっぱり)
私の神語の文字(漢字)とナーガの文字(ひらがな)、それに後代言霊語の文字(ローマ字)をまぜて使っている。
ナッシュ:前回、普通名詞は漢字、固有名詞はカタカナ名、と言いましたが、それは普通名詞は意味、固有名詞は音を重んじるからです。固有名詞には音の裏に真の意味がこめられているものなので、それを隠すためということもあります。

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